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title.アンティークテーブルのカスタム

date.2014.01.09 category.WORK/FURNITURE CUSTOM

今回のお客様からのご要望は、ダイニングサイズ程度のアンティークテーブルをカスタムして、大型のリフェクトリーテーブルにしたい!というもの。
またまた難しいご注文です。


カスタム前の写真がこちら。
天板サイズ1000mm×1000mm程です。
これを2400mm×1000にするのです。
small_スクリーンショット(2013-10-30 12.15.29).jpg






元々の構造上、中央から2分割された天板と脚部をワイド方向に引き延ばして、中央にエクステンション用の天板をはめ込むと大型サイズのリフェクトリーテーブルに変形する、という物ではあったのですが、その拡張した見た目が、ややお粗末。
中央にはめ込む天板はコグチの面材も無く、素材もベニヤむき出しです。
全体的に塗装も大分劣化していて、艶もなく古ぼけた表情。
それはそれで朽ちた味わいなのですが、今回このテーブルがディスプレイされるショップのイメージとしては、もっと艶やかでゴージャスな物に調整する必要がありました。
small_スクリーンショット(2013-10-30 12.15.21).jpg



使えるアンティークパーツはなるべく生かしてあげながら、上手に新しいパーツを組み込んで仕上げていきます。
加工前テーブル_09.jpg

small_加工前テーブル_02.jpg






まず、元々のテーブル脚部や、天板のコグチ面材は流用するという前提で、塗装後の色目が合いそうな木材を選定し天板を一枚制作します。
コストも大幅に押さえる必要があったので、比較的安価なウォールナットの白太材を選定し、細かいピッチで接ぎ合わせました。

塗装前の段階だと接ぎ合わせの違和感や不自然さが目立ちますが、後の塗装工程で調整します。

small_IMG_3903.jpg


白太(しらた)とは、この写真で色が白く見えているところ。
木材の樹皮に近い白い部分で比較的安価に入手出来ます。
38b7909d.jpg





欠損していた部分の天板コグチの面材を制作し接合、元のアンティーク天板の面材と自然につながる様に整形していきます。何とか似た感じでつながりました。
この部分も後の塗装で自然な色味に化粧していきます。
スクリーンショット 2014-01-09 16.19.42.png
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まず、オイルステインでウォールナットの木肌を染色塗装。
着色前には大分気になった細かい接ぎ目が、この段階で序所に気にならなくなっていきます。
白太部分の濃淡を見ながらステインの着色を調整して、全体的にウォールナット特有の揺らぎある綺麗な木目に見える様に仕上げていきます。
ステイン塗装_00.jpg
ステイン塗装_01.jpg
ステイン塗装_02.jpg
ステイン塗装_03.jpg
ステイン塗装_04.jpg

この段階で既に、元から流用したアンティークのパーツと新しく組み込んだ木材の見た目が調和してきました。
small_ステイン塗装_08.jpg







ここから、ニス塗装。
古典的なタンポ塗装で薄く薄く手塗り塗装を重ねていきます。
琥珀色をしたセラックニスでテーブル全体の光沢感を揃えていくように、艶やかな塗装膜で被っていきます。
small_ワックス塗装_03.jpg

small_ニスタンポ+スチールウール_00.jpg
small_ニスタンポ+スチールウール_01.jpg
small_ニスタンポ+スチールウール_02.jpg

再びアンティーク塗装された脚部も、生気を取り戻した様な引き締まった表情になりました。
small_ワックス塗装_01.jpg

この段階までくると、塗装前の細かい接ぎ目は殆ど気になりません。
むしろ、白太の有機的なラインがアクセントになり非常に表情豊かです。
small_ニスタンポ+スチールウール_03.jpg

ぴかっと光ったニス塗装の艶を、スチールウールという細かい鉄繊維の綿で優しく撫でて曇らせてあげ、再びアンティーク塗装専用のワックスで磨き上げます。
この一手間で、塗装膜のビカっとした艶を抑え、落ち着きのある半艶に調整してあげつつ、同時に塗装の皮膜を保護する効果があるのです。
small_ワックス磨き_14.jpg

完成です。
small_ワックス磨き_13.jpg


そして青山のお店へ納品。
今回、スケジュールもかなりタイトだったのですがギリギリのタイミングで滑り込みセーフ。
お客様にもとても喜んで頂け、スタッフ皆でほっと胸をなでおろしました。。
small_IMG_2884.jpg

small_IMG_2893.jpg


small_IMG_2895.jpg