このギャッベは、イラン南西部の遊牧民が古くから受け継いできた技法で織られた手仕事のラグです。
染料を使わず、羊毛が本来持つ生成りやブラウントーンをそのまま生かした一枚で、人工的な均一さではなく、糸ごとの微妙な色の揺らぎと質感が静かに響き合っています。
画像ではシンプルな無地に見えますが、近づくとその表情は一面だけでは語れません。
一本一本手紡ぎされた羊毛は太さや撚りがわずかに異なり、それが織り目に自然な影を落とし、光の当たり方によって柔らかなグラデーションを生み出します。
まるで使い込まれた木肌や古い陶器のように、見るたびに違う表情を見せ、飽きるという感覚が生まれません。
羊毛にはラノリン（天然油分）が含まれており、この油分は時間とともに艶を増し、使うほどしっとりとした柔らかさが育ち、ギャッベならではの心地よい触れ心地となっていきます。
また、天然ウールは調湿性・断熱性・耐汚性に優れており、四季を通して快適に使える点も魅力です。
床暖房との相性も良く、冬は暖かく、夏はさらりとした触感を保ちます。
その佇まいは控えめですが、決して無表情ではありません。
濃淡の織り模様が空間に深みを与え、家具や床材と自然に溶け込みながらも、インテリアの質をひとつ引き上げる存在感を持っています。
派手な装飾やデザインがないからこそ、空間を選ばず、長く共に暮らせるラグです。
生活の中で自然に役割を果たしながら、年月とともに風合いが深まり、住まいに寄り添う存在になるはずです。
時間をかけて育つもの、年月で完成していくもの。
このギャッベは、そんな価値観に寄り添う一枚です。

南ペルシアの遊牧民族によって伝統的に織り続けられている分厚い手織り絨毯、ギャッベ。
遊牧民が共に生活をしている羊の柔らかく上質な毛を刈り取り丁寧につむいで糸に仕立て、
その糸を自然から採取した天然染料で染め上げ、一枚一枚丹精込めて織る手間ひまのかかった絨緞です。
沢山のウールを使い綿密に織り上げられたこの絨毯は、冬は暖かく夏は涼しいので一年を通してお使いいただけます。

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