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monthly archive.May 2020

title.小さなギャベの使い方

date.2020.05.20 category.

お薦めの小さめギャベ!
羊の被毛のナチュラルな色をグラデーションに織り上げた貴重な一枚です。
使えば分かる、このギャベの魅力は、他のラグには無いその分厚さと踏んだ時の感触。
まるで羊の背中を歩いている様に、フカフカと柔らかでありながら、
しっかりとした弾力で足を跳ね返してくるような、何とも言えない感触です。
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ギャベは、その見た目から想像するフワフワとして軽い絨毯ではありません。
初めてこの絨毯を手にした人の誰もが驚く程に、ずしっとした重みがあるのです。
沢山のウールを使い綿密に織り上げられたこの絨毯は、冬は暖かく夏は涼しい。
不思議です。
他社様のサイトですが、非常にわかりやすくウールの特性を説明している文章を見つけたので
こちらにリンクを貼っておきます。


是非このギャベの魅力を知って頂く為に、私が入門編としてお薦めしているのがこの小ぶりサイズの一枚。
皆さん、絨毯を
●ダイニングテーブルの下に〜
●ソファ前のローテーブル下に〜
●玄関マット用に〜
と、部屋のサイズに割り振って考える事が多いと思います。
小さなギャッベ絨毯などは、まさに玄関用に
となりますね。

しかし、私がこの小さなギャッベの使い方としてオススメしているのは、部屋の中でごろ寝する用のマイギャベとして使う事なのです。
たとえばom-20051952あたりは、そんなマイギャベに最適なサイズ。
家の中のどこかにこれを敷いてごろっと寝そべり本を読む、映画を観る。
なんならアウトドア好きの人なら、これを屋外に持ち出して敷く、なんていうのも最高に贅沢です。
実際にこれを織っているカシュガイ族の遊牧民達は、そうやって生活の中の民具として使っているのです。
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そんな自分専用の贅沢なごろ寝マイギャベ。
どうしても家でゆっくり過ごす時間が長くなるこの時期に、極上のアイテムです。
一生物の宝となるはずです。
お薦めです!




title.ギャッベという絨毯

date.2020.05.20 category.

c:hordでも販売しているギャッベという絨緞にまつわるお話。


このギャッベとは、南ペルシアの遊牧民族によって伝統的に織り続けられている分厚い手織り絨毯のこと。
かれら遊牧民が、共に生活をしている羊の柔らかく上質な毛を刈り取り丁寧につむいで糸に仕立て、
それを自然から採取した染料で染め上げ、一枚一枚丹精込めて織ってつくる手間隙のかかった絨緞なのです。

これは、代々嫁入りの際に母から娘へと受け継がれ、絨緞には家族の幸せや繁栄への祈りをこめて模様が織り込まれました。
今日のように、世界中で人気の絨緞として認知されるようになる前は、ギャッベは遊牧民の生活民具にすぎなかったのです。
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しかし、そのギャッベという絨緞を織る民族の小さな村を見いだして
今や芸術価値のある絨緞として世界各国に流通するまでに育て上げたのが
イランの絨緞商 ゴラムレザ・ゾランヴァリ氏(1933年生まれ)
ギャッベの世界的ブームの礎を築き上げた人です。
彼の事をカシュガイ族の人々は「ギャッベの育ての親」と、親しみと尊敬を込めて呼んでいます。
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彼のストーリーを。
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「草木染め絨毯ギャッベ―幸せを紡ぐイランの遊牧民カシュガイ-」
(著者 向村春樹)
より一部紹介します。




宝の村との出会い

シーマンディというルリ族の人々の住む村の青年、アラ.ゴリは、お金に換える事の出来るギャッベと鶏、
そして羊やヤギのチーズなどを持ってシーラーズに出て来た。
泊まるのは安宿で部屋にはベッドも無く、彼は持ってきた絨緞を敷いて寝ていた。
そこにちょうど仕事でやってきたのが若き日のゴラムレザ。
彼は若者の敷いている絨緞に目を留めた。
「どこの村から来たんだい?いい腕の織り手の絨緞だね。それを買おう。」
ゴラムレザが言うと、若者は
「ありがとうございます。でも...これは汚れてしまって。。
私の村にきてもらえれば、良い絨緞があります。」
こうして、ゴラムレザはかつて絨緞商が足を踏み入れていない道のりを行く事になる。
ロバだけが通れる細く道なき道を、アラ.ゴリの先導で進む。
標高2.500mの峠を越え、周辺から隔絶されたザクロスの谷の狭間にある小さな村へ着いた。
昔ながらのギャッベを織る遊牧民の住む村である。
村までの道のりが困難を極める程、ゴラムレザの目には、その村が宝物のように輝いて見えた。
彼は、そこで大量のギャッベを仕入れる事になる。




シラーズのバザール

「今日もまた、1枚も売れなかった」
イラン南部の都市シラーズのバザール、その門の脇にある小さな店で
うず高く積まれたギャッベの山を前に、若き絨緞商は大きなため息をついた。
1956年ゴラムレザ・ゾランヴァリ、23歳。
絨緞商の父から独立したばかりで資金力の無い彼が見つけ出し、店に並んでいたのは「ギャッベ」だけだった。
彼はなけなしの資金をはたいて、カシュガイから156枚のギャッベを買った。
伝統的ペルシャ絨緞を最高級と位置づけるイランにおいて、それは常識はずれの行動だった。
「あんな商品価値のないラグを買い集めて、あいつは何を考えているんだ。。」
周囲からは、そんな陰口も聞こえていた。 そんなある日。
ひとりのスイス人絨毯商がイラン人の通訳を従えてゴラムレザの店にやってきた。
ほかの誰もがするように、そのスイス人も一枚、また一枚と見ては絨緞を横にはねていく。
「一枚も選ばないのか、、、また今日も。。」
ゴラムレザは落胆した。
ところが、そのスイス人の表情をみると、目が輝いている。。
そして、彼の口から時おり出る「ART」という言葉に胸が踊った。

結局、そのスイス人は156枚全てのギャッベを残らず買ったのだ。
契約のサインをして立ち去る直前に、イラン人通訳は、そのスイス人に気づかれぬようにペルシャ語で
「こいつ、こんなものをどうやって売るつもりなんだよ、、」 と吐き捨てるように言った。
ところが、一ヶ月もたたぬうちに同じスイス人がまたシラーズにやって来て
「同じようなタイプのものを、1.000枚欲しい」そう注文した。

当時、絨緞を扱うバザールの人間達にとってこのギャッベは流通価値の無いものだった。
好奇心旺盛な一部の人間だけが、遊牧民が自由に織るこの絨緞の本当の魅力に気づいていたのだ。
ヨーロッパの顧客とイランシラーズのゴラムレザ・ゾランヴァリのように。






これは、現在イランのファールス州で石油を除いた部門で輸出高第一位を誇るゾランヴァリ社のルーツとなる実話です。




トルコからイランのペルシャ湾沿いに南下する鎖のように連なる山々、ザクロス山脈。
イラン南部の都市シラーズ周辺のザクロスの山あいにある原野。
厳しい自然環境の土地に住むカシュガイ族の人々。
周辺には電柱も看板も一切ない。
大自然の中に身を置くと、周囲の風景が一日の中で様々に大きく表情を変える事に気づく。
日の出前の瑠璃色の空と漆黒の大地。淡い茜色に輝きながら昇る朝日。
様々な表情を見せる大地、そこから女性達が受けるインスピレーションや家族への愛情
そんなエネルギーが、自由にギャッベに描き出されているのです。


ギャッベ




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